甘酒飲むならどっち? 米麹・酒粕甘酒の目的別使い方ガイド

第二の脳とも言われる腸を整える「腸活」。その中で、「甘酒は腸活にいい」という言葉も聞いたことはありませんか? 実際、甘酒は腸内環境を整え、便通改善や美肌効果など、私たちの体にさまざまなプラスの影響をもたらしてくれます。

ですが、甘酒には「米麹甘酒」と「酒粕甘酒」の2種類があること、そして、それぞれ異なる成分や効果があることをご存知でしょうか?どちらも同じような飲み物なので、違いはわからないという方もいらっしゃるかもしれませんね。そこで今回は、酒粕専門店Hacco to go!として、米麹と酒粕の違いに焦点を当てて、その違いについてご紹介。それぞれの特徴を理解し、自分の体調に合わせ使い分けてみてください。

甘酒とは

まず、甘酒について基本的なことを確認しておきましょう。甘酒は、別名「甘粥(あまがゆ)」とも呼ばれる、少しとろみのある飲み物です。

甘酒の歴史は非常に古く、日本最古の書物である「日本書紀」(720年)にも登場します。「醴酒(こさけ)」や「天甜酒(あまのたむさけ)」といった記述が甘酒のルーツとされています。江戸時代には甘酒が栄養飲料として広まり、特に夏の暑い時期にスタミナを補う目的で飲まれるようになりました。

近年、甘酒は再び注目を集めており、腸活や美容、アンチエイジングを目指す人々の間で人気です。では、米麹と酒粕の甘酒が具体的にどう違うのかを次に見ていきましょう。

米麹甘酒と酒粕甘酒の違い

米麹甘酒は、お米に麹菌を加えたもので、麹菌が米のデンプンをブドウ糖に変化させるため、砂糖を加えなくても自然な甘味が生まれます。アルコール分は含まれておらず、小さなお子さんからお年寄りまで幅広く楽しめる点が特徴です。

酒粕?酒かす?酒糟?さけかす?

一方、酒粕甘酒は、日本酒の副産物である酒粕を使って作られます。酒粕は、米麹に酵母菌を加えてできた「もろみ」から生まれたもの。もろみを絞ってできた液体が日本酒に、残りが酒粕になります。酒粕は米麹に酵母菌を加えることで栄養価が高くなりますが、アルコールを含んでいるため注意が必要です。

米麹と酒粕の栄養成分比較

次に、米麹と酒粕の栄養成分について比較してみましょう。文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」をもとに、主な栄養素を見てみます。

抜粋:文部科学省の「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

米麹に多く含まれる栄養成分

  • 炭水化物
    エネルギー源として体や脳の活動に不可欠。脳や神経組織、赤血球など体の各組織に必要なブドウ糖を生み出す役割を担っています。
  • カリウム
    ナトリウムの排出を促すことで、高血圧やむくみの予防、筋肉を正常に保つ効果があります。
  • マグネシウム
    酵素の働きをサポートするミネラルの一種。丈夫な骨や歯の形成、高血圧や心疾患を予防するといわれています。
  • リン
    カルシウムに次いで体内に多く含まれるミネラル。骨や歯を丈夫にしたり、エネルギーを蓄える効果が期待されています。
  • マンガン
    代謝に関わる酵素で、骨の代謝をよくするといわれています。
  • ナイアシン
    ビタミンB群のひとつ。糖質や脂質を燃やしてエネルギーを作ったり、アルコールを分解するときに働く酵素を助ける役目を担います。

米麹甘酒はリンやマンガン、ナイアシンなどが多く含まれ、体全体の機能をサポートするため、日々の健康維持に効果的です。

酒粕に多く含まれる栄養成分

  • たんぱく質
    アミノ酸が多数結合した化合物で、エネルギー源として働きます。免疫力を高めたり、貧血や高血圧、脳血管障害を予防したりするだけでなく、肌の潤いやハリを保つ効果も持ち合わせています。
  • 葉酸
    水溶性のビタミンB群の一種で、赤血球の生成を助けます。貧血や動脈硬化を予防するほか、胎児の先天異常である神経管閉鎖障害のリスクを減らす効果も期待されています。

  • 赤血球を構成する必須アミノ酸のひとつ。全身の細胞や組織に酸素を運ぶことで、貧血を予防したり、疲労を回復したりといった効果があります。
  • 亜鉛
    肉や魚など動物性食品に含まれるミネラルで、たんぱく質や核酸の代謝に関わり、髪や肌の修復をサポートします。その他、味覚を正常に保つ効果もあります。
  • ビタミンB2
    リボフラビンとも呼ばれるビタミンB群の一種。脂肪を燃焼させたり、健康な皮膚や髪、爪などを作る手助けとなります。
  • ビタミンB6
    たんぱく質の代謝が進むことで皮膚や粘膜、髪、歯、爪の成長を促します。また、月経前症候群 (PMS)やつわりの症状を緩和する効果もあるといわれています。

また、月桂冠総合研究所は、「腸活には酒粕が有効である」と提案しています。その理由は、酒粕にはレジスタントプロテインに加え、難消化性デンプンであるレジスタントスターチが豊富に含まれているから。レジスタントスターチにはビフィズス菌の増加を促進する作用があるので、腸内環境を整えてくれる効果が期待できるのです。

参考:月桂冠総合研究所 | 腸活するなら、「酒粕タイプ」甘酒?

米麹と酒粕、どちらを選ぶべき?

ここまででわかるように、米麹甘酒はエネルギー代謝や全身の栄養補給に適しており、酒粕甘酒は腸活や免疫力の向上に特に効果的です。日々の生活や体調に合わせて、以下のように選んでみてください。

  • 強い体を作りたいときは、米麹甘酒。
  • 体の調子を整えたいときは、酒粕甘酒。

そのときの体の状態によって、使い分けるのがよさそうですね。

注意: この情報は一般的な情報であり、医学的アドバイスではありません。ご自身の健康に関するご質問は、医師にご相談ください。

甘酒の基本の作り方

さて、米麹と酒粕それぞれの効能がわかったところで、どのように甘酒を作ればいいのでしょうか。それぞれの基本の作り方をご紹介します。

▼米麹甘酒

材料
・米麹・・・200g
・お湯・・・100ml
・水・・・400ml

用意するもの
・炊飯器(ご飯を1合炊いて保温にしておく)
・温度計
・清潔な布巾
・殺菌した容器

作り方
下準備:米麹は板状の場合、よくほぐしておきます
1. 沸かしたお湯に水を加える
2. 麹とぬるま湯をボウルに合わせる
3. 炊飯器のご飯をほぐして、3の麹を加えてよく混ぜる。温度を測り、70℃を超えないようにする
4. 布巾を濡らしてよく絞り、炊飯器の蓋がわりにかけて、3時間置く
5. よくかき混ぜて温度を計測。時々かき混ぜながら、2〜3時間ほど置く
6. ちょうどよいとろみと甘みが出たら完成。容器に移して冷蔵庫で保管する

▼酒粕甘酒

材料
・酒粕・・・100g
・水・・・500cc
・砂糖・・・50g

作り方
1. 酒粕と水を鍋に入れて滑らかになるまで丁寧に溶かす。
2. 砂糖を入れて混ぜながら溶かしたら完成

どちらも冷やしても、温かい状態でも、どちらでも美味しく召し上がっていただけます。好きなフルーツと一緒に飲んでも美味しいので、自分に合う味を探してみてくださいね。

▼甘酒にアルコールがどれくらい含まれているか知りたい方はこちら

▼酒粕がどこに売っているか知りたい方はこちら

体の調子を整える酒粕を効率的に摂りたいときに。酒粕ヨーグルト「JOGURT」

とはいえ、米麹や酒粕を毎日摂取し続けるのは難しいですよね。そんなときにおすすめなのが、酒粕をもう一度乳酸菌で発酵させた植物性ヨーグルト「JOGURT」。体の調子を整える酒粕だけでなく、乳酸菌も含まれているヨーグルトです。

そのままでも召し上がれますが、少し酸味が強いのでハチミツやジャムを入れるのがおすすめ。とろみのあるジュースと合わせても美味しく召し上がれますよ。手軽に始められる7日間パック(350g)もあるのでお試し感覚でまずは食べてみてはいかがでしょうか。

詳しくはこちら ▷ https://haccotogo.com/jogurt/

▼参考
みんなの発酵BLEND「甘酒のきほん」
わかさの秘密 成分各種
文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
月桂冠総合研究所 腸活するなら、「酒粕タイプ」甘酒?

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