お正月の締めくくり?粕汁と「骨正月」の風習

日本のお正月には、特別な料理や風習が多く見られます。実は粕汁もそのひとつ。関西地方では、お正月の締めくくりとして粕汁を食べる風習があるんです。今回は、関西地方でお正月に食べられる粕汁と骨正月の風習についてご紹介します。

粕汁とは?

粕汁は、日本酒を造る過程で生まれる酒粕を使った汁物です。酒粕の濃厚な旨味と独特の香りが特徴で、味噌や醤油と組み合わせて作られることが多い料理です。具材には鮭、大根、人参、こんにゃくなどが使われ、地域や家庭ごとに異なるアレンジが加えられています。

正月の鰤や鮭と「骨正月」の風習

日本には、正月に鰤(ブリ)や鮭を尾頭付きでまるまる一尾用意し、少しずつ切り分けて食べていく習慣がありました。この魚を毎日少しずつ食べ進め、1月20日に最後の部分を食べ尽くすのが習わしです。この日を正月の祝い納めの日とし、「骨正月」とも呼ばれています。

「骨正月」では、正月の終わる節目である1月20日に、正月に食べていた鮭や鰤などの残っている頭や骨からだしをとり、酒粕と野菜を煮込んだ粕汁を作り食べるという祝い納めの風習がありました。これは、ハレの気分を引っ込め日常の生活に戻るけじめの食事であり、関西の風習として広まっていきました。

おせち料理など、正月は一年を通して最も贅沢に食材を使った豪華な料理を楽しめる時期です。そして、この「骨正月」に締めくくりの料理として粕汁を作ることで、新年の華やかな食文化が完結するのです。

関西で粕汁が好まれる理由とは?

酒粕が関西地方で広く普及している理由の一つは、この地域に根付く酒造り文化です。特に兵庫県や京都府は、日本を代表する酒どころとして知られています。灘(なだ)地方や伏見(ふしみ)では、豊かな水資源と質の高い米を活かして酒造りが盛んに行われ、多くの名酒が生まれました。江戸時代には「上方」と呼ばれた関西地方は、経済的・文化的な中心地として栄え、数多くの酒蔵が存在したのです。

そうした理由から、灘や伏見は日本有数の酒造り拠点として発展し、副産物として生まれる酒粕も豊富に供給されていました。この酒粕は、保存性と栄養価の高さから、調味料や保存食として重宝され、日常の料理に幅広く取り入れられるようになったのです。

粕汁の魅力

粕汁の最大の魅力は、心も体も温まるその味わいと、栄養価の高さです。酒粕に含まれるアミノ酸は旨味成分として料理に深みを与え、同時に健康効果も期待できます。また、具材として使われる野菜や魚の栄養素もたっぷり摂取できるため、寒い冬の季節にぴったりの一品です。

まとめ

「骨正月」と粕汁の習慣は、新年の華やかな気分を締めくくり、日常生活に戻るための大切な風習です。寒い冬にぴったりの粕汁を楽しみながら、日本の伝統的な文化に触れてみてはいかがでしょうか。今年のお正月は、家族や友人と粕汁を囲んで温かな時間を過ごしてみてください。

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