こんにちは。
今回は、日本酒の副産物である酒粕をベースに植物性乳酸菌で再発酵させた植物性ヨーグルト風商品「醸グルト(JOGURT)」についてお話しします。この商品は、伝統的な醸造文化と最新の発酵技術を組み合わせ、現代のライフスタイルに寄り添う「醸活」を形にしたものです。
1. 醸グルトとは何か?
醸グルトは、日本酒の醸造過程で生まれる副産物「酒粕」をベースに乳酸菌でさらに発酵させて作った新しいジャンルの植物性ヨーグルト風食品です。その特徴を詳しく説明します。
- 酒粕の再利用:
日本酒製造で生まれる酒粕は、栄養価が高い一方で多くの酒蔵が未利用のまま処理に困っている未利用資源でした。醸グルトはこの酒粕を酒蔵から集めて再利用し、新たな価値創造を実現しています。 - 乳酸菌ウオヌマ株で再発酵:
酒粕を乳酸菌で再発酵させることで植物性ヨーグルトに生まれ変わります。
この乳酸菌は、新潟県食品研究センターが発見した「乳酸菌ウオヌマ株」を使用しており、雪深い新潟県内の雪室に入れていた野沢菜漬けから採取した植物性乳酸菌です。この乳酸菌は低温でも発酵が進む特性と、pHが下がっても酸味が出づらい特徴を持ち、醸グルトのまろやかな味わいを生み出しています。 - アルコールを1%以下まで除去:
酒粕は日本酒醸造の家庭で生まれるため通常は7-10%程度のアルコールを含んでいます。醸グルトはその酒粕を蒸してアルコールを飛ばすことで、1%以下での提供を可能とし、ノンアルコール表記としてお子様やアルコールが苦手な方でも時間を気にせず安心して楽しめる形に仕上げています。(少量のアルコールにアレルギーがある方などは摂取をお控えいただいています。)
2. 醸グルトに込めた思い
私たちが醸グルトを最初に作ったのは2018年。新潟県で地域資源をテーマに活動していると、どうしても聞こえてくる酒蔵からの酒粕の相談。こんなに栄養素が評価されている素材なのに、利用が減って邪魔者扱いされている現状を見て、きっと何かのボタンのかけ違いのようなもので、ちょっとしたきっかけで素晴らしい地域資源に生まれ変わると信じ、食卓から消えかけていた酒粕を現代に新しいスタイルで甦らせるプロジェクトとして生まれました。
私たちが目指したのは、酒粕が日常に並んだ昔ながらの食卓に戻ろうということではなく、現代のライフスタイルも否定せずにできる限りフィットした活用方法を見出すことで、地域にある資源を未来に向けて価値あるものとして繋いでいくことです。
酒粕利用の新しい形での復活
江戸時代や昭和初期の頃まで、酒粕は日本の冬の食卓には欠かせない存在でした。しかし、欧米文化の影響や大量生産・大量消費の時代の中で、その姿は食卓から消えかけていました。
理由として、流通に適していないことや酒粕レシピが引き継がれなくなったこと、他の発酵食品が多く輸入できたことなどが挙げられるかと思います。
時代と主にライフスタイルが変わることは当然ですが、価値ある資源が使われていない状況は勿体無いと感じ、まるでヨーグルトのように酒粕を摂取できたらとの思いから、コメ由来の発酵植物性ヨーグルト「JOGURT(醸グルト)」をつくり、酒粕の価値を再び私たちの生活に取り戻す新しいアプローチを始めています。
THE 日本の醸造食品
原材料は、新潟県産の清酒醸造の過程で副産物として出てくる酒粕です。酒粕は、米のでんぷんを麹で糖化させて、清酒酵母がその甘さを餌にアルコール発酵を始め、麹と酵母が同時に並行複発酵して生まれる醪(もろみ)を、絞って液体になったものが日本酒、絞って残った固形物が酒粕となります。一方、雪国新潟の雪室の中で保管していた野沢菜から、少し変わった乳酸菌が採取されました。これはのちに乳酸菌ウオヌマ株と名付けられ、醸グルトの乳酸菌発酵に使われる菌になるのですが、このウオヌマ株、通常の乳酸菌が25度以上で発酵を始めるのに対し、寒い中でも発酵がはじまる特殊な進化を遂げ、冷蔵庫の中くらいの温度、5度で発酵を始める乳酸菌として特殊な機能があります。辛抱強い雪国の集大成のような食材と菌がさらに発酵をかさねて、醸グルトができました。原材料は、酒粕と漬物から採取した乳酸菌だけのシンプルながら微生物との上手な関わりを表す、まさに醸造食品の王道と言ってもいいのではないかと考えています。
日本のカラダには日本の醸造が合う
私たちは、日本のカラダには日本の醸造食品が最も合うと信じています。サプリメントが当たり前になった現代社会で、もう一度足元を見つめ直すと、サプリを超える栄養素が日本の食材と醸造技術の中に詰まっていることに気づかされます。
醸グルトは、そうした日本の伝統的な食文化を現代のライフスタイルに合う形で提案しています。
3. 醸活とライフスタイルの融合
商品開発をする上で、大切なことが二つあります。
ひとつめは、日本の知恵の偉大さにもう一度耳を傾けること。
もうひとつは、今のライフスタイルを認めて寄り添うこと。
醸グルトを開発する上で私たちが目指したのは、醸活の理念を現代のライフスタイルに自然に溶け込ませることでした。
日本の知恵が集結した良い素材であることは間違い無いと信じていますが、今の人たちはみな忙しく、手間をかけずに栄養を取りたいとサプリを手にする人も多いですが、サプリのような手軽さで日本の知恵が詰まった商品を開発して、どんなに時代が変わろうとも生活に寄り添うスタイルに形を変えて地域資源が形を提供できるようになれば、未来にもまた新しい提案で豊かな時間を届けられると考えています。
「醸活」は、昔ながらの暮らしに戻ろうということではなく、伝統の知恵に感謝しながら、その恩恵を暮らしの中で取り入れていくことが、日本の醸造文化を未来に繋いでいく最も有効なことと考えています。
私たちは、醸グルトや他商品の開発を通じて、醸造文化とライフスタイルをつなぐ架け橋であり続けたいと考えています。
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酒粕専門店 Hacco to go!
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